検査は目視により行う。配管を被覆したり、隠ぺいしたり、埋設したりする前に、圧力試験により、架橋ポリエチレン管路の性能を確認する。
その方法は以下の通りである。
1 水圧試験
一般に可撓性のある弾性率の低い合成樹脂管は、水圧試験を実施すると初期設定負荷圧力より低下する場合がある。架橋ポリエチレン管も同様で、圧力降下を漏水と間違えることがあるため注意が必要である。
| 架橋ポリエチレン管の特性上、圧力降下については次のことが言える。 | ||
| ■ | ・ | 初期設定負荷圧力の保持時間を長くすることで、著しい圧力降下を防ぐことが可能である。 |
| ・ | 圧力降下は、配管の長さと配管のサイズにはあまり影響を受けない。 | |
| ・ | 配管中に空気が混在していると、満水時よりも圧力降下率が小さくなることがある。 漏水時に発見されにくくなるため、十分に空気抜きを行う必要がある。 |
|
| 当工業会では、以下の水圧試験方法を推奨する。 | ||
| @ | ・ | 試験は、まず配管の末端をプラグやその他の方法でふさぐ。次に給水弁を開き満水にするが、このときは配管中の空気をプラグで緩めたり、弁を開いたりして排除する。 |
| A | ・ | 配管にポンプで圧力を加える。このとき、初期設定負荷圧力に達してから5分間保持する。 初期設定圧力:0.75MPaもしくは1.75MPa |
| B | ・ | 保持後、圧力降下を1時間観察する。 |
| ・ | 初期設定負荷圧力が0.75MPaの場合、1時間後の圧力が0.5MPa以上であること。 | |
| ・ | 初期設定負荷圧力が1.75MPaの場合、1時間後の圧力が1.2MPa以上であること。 | |
| ・ | <注意> 1時間後の圧力が0.5MPa未満もしくは1.2MPa未満となった場合は、漏水の可能性が特にあります。 |
|
| C | ・ | 合否の判定 各部材、各接続部を目視及び触感で確認し漏水、破損などがないこと。 |
当工業会で行った試験データを参考までに、図5.9(0.75MPa)、図5.10(1.75MPa)に示す。
先述の方法で試験水圧を5分間保持した場合と保持を行わなかった場合の経時変化である。
| 試験条件 | ・ | ・ | 架橋ポリエチレン管 | ■ | 呼び径: | 13(外径17.0mm、厚さ2.1mm) |
| 配管長: | 30m | |||||
| ・ | 試験圧力に昇圧するまでの時間: | 約10秒 | ||||
| 試験No. | 線種 | 試験温度 | 加圧方法 | |
| 図5.9 | 試験No@ | ![]() |
5℃ | 初期設定負荷圧力 0.75MPa 保持5分間 |
| 試験NoA | ![]() |
20℃ | ||
| 試験NoB | ![]() |
35℃ | ||
| 試験NoC | ![]() |
5℃ | 初期設定負荷圧力 0.75MPa 保持なし |
|
| 試験NoD | ![]() |
20℃ | ||
| 試験NoE | ![]() |
35℃ | ||
| 図5.10 | 試験No@ | ![]() |
5℃ | 初期設定負荷圧力 1.75MPa 保持5分間 |
| 試験NoA | ![]() |
20℃ | ||
| 試験NoB | ![]() |
35℃ | ||
| 試験NoC | ![]() |
5℃ | 初期設定負荷圧力 1.75MPa 保持なし |
|
| 試験NoD | ![]() |
20℃ | ||
| 試験NoE | ![]() |
35℃ |
![]() |
| 図5.9 架橋ポリエチレン管の初期水圧経時変化(試験圧力0.75MPa) |
|---|
![]() |
| 図5.10 架橋ポリエチレン管の初期水圧経時変化(試験圧力1.75MPa) |
2 空気圧試験
水圧試験を推奨するが、寒冷地で水が使用できない場合は、次の空気圧実験を実施し、接合部の漏洩をチェックする。
| @ | ・ | 試験は0.1〜0.3MPaの低圧で実施し、漏洩点検は、希釈石鹸水を筆など適宜の方法で接合部に塗布し、気泡の発生の有無により確認する。 |
| A | 合否の判定 気泡の発生のないこと |
| @ | ・ | 金属継手、弁、機器類と接合する場合は、それらの重量が架橋ポリエチレン管に悪影響を与えないように配慮しなければならない。 |
| A | 大量に灯油、ガソリンなどを扱うスタンド、車両工場、化学工場などで、高濃度汚染がある場所または予想される場所での敷設は、非汚染土による埋め戻しや影響を受けにくい経路(さや管工法)の検討が必要となる。 |
架橋ポリエチレン管の防火区画貫通は、建築基準法施行令のもとで原則として認められていない。建築基準法施行令129条2の2によると「(中略)但し、(中略)建設大臣が防火上支障がないと認めて定める基準に適合する部分については、この限りではない」と規定されているので、当工業会では、その特例にそっての許可を得ている。
なお、建築基準法施行令では、可燃性の配管、例えば、電線管、給配水管などが防火構造の区画を貫通するとき、次の二項目について規定している。
その原文は以下の通りである。
| 建築基準法施行令第112条(防火区画)第15項 | |
| ■ | 給水管、配電管その他の管が第1項から第5項まで、第8項、第9項本文、第10項本文、第12項若しくは第13項の規定による耐火構造若しくは防火構造の床若しくは壁又は第10項ただし書の場合における同項のただし書のひさし、床、そで壁、その他これらに類するもの(以下この項及び事項において「耐火構造などの防火区画」という。)を貫通する場合においては、当該管と耐火構造などの防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。 |
| 同上第129条の2の2第1項7号 | |
| ■ | 第129条の2の2(給水、配水その他の配管設備の設備及び構造は、次の各号に定めるところによらなければならない。) 一〜五 〔略〕 六 地階を除く階数が3以上である建造物、地階に居室を有する建築物又は延べ面積が3,000平方メートルを超える建築物に設ける換気、暖房又は冷房の設備の風道及びダストシュート、メールシュート、リネンシュートその他これらに類するもの(屋内に面する部分に限る。)は、不燃材料で作ること。 七 給水管、配電管その他の管が、第112条第15項の耐火構造等の防火区画、第113条第1項の防火壁、第114条第1項の界壁、同第2項の間仕切り壁又は同条第3項若しくは第4項の隔壁を貫通する場合においては、これらの管の当該貫通する部分及び当該貫通する部分からそれぞれ両側に1メートル以内の距離にある部分を不燃材料で造ること。ただし、耐火構造の床、壁、第115条の2の2第1項第1号に掲げる技術的基準に適合する準耐火構造若しくは甲種防火戸で建築物の他の部分と区画されたパイプシャフト、パイプダクトその他これらに類するものの中にある部分又は建設大臣が防火上支障がないと認めて定める基準に適合する部分についてはこの限りではない。 |